読書録 チルドレン 伊坂幸太郎
そもそも大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ。
調査官は拳銃を持った牧師だ。
俺たちは奇跡を起こすんだ。
登場人物の陣内の発言一つひとつは、一見何を言っているのかわからないが、周りの彼に対する態度に反して、彼の発言は的を得ている。
彼の言葉は世俗離れしていて、世の中の気持ちの悪い遠慮や偏見を無視して、ストレートに自分の表現を世間に投げかけている。
その姿は怖いもの知らずで、彼自身の空気感と勢いがあり、周りを巻き込むふしぎな力がある。
誰もが彼の方法論を活用できるわけではないが、きっとあのような思い切りのいい人生に憧れを持つ読者は私だけではないだろう。